『ドラゴンクエストビルダーズ2』プレイレビュー 第7話
前回の“ピラミッド強制収容所”の話に、ちょっとだけ付け加えたい。
俺が『ドラゴンクエストビルダーズ2』の村作りを進める上で、ポリシーにしていることがふたつある。
ひとつは、前回の記事のテーマになった“村人の住居”だ。『ドラゴンクエストビルダーズ2』では村人もビルダーとなり、ある意味、主人公以上に齷齪と働いてくれるので、
「彼らにはなるべく、快適な部屋を用意してあげたい!!」
ってんで、開拓が始まった当初から寝床だけはキチンと作るようにしている。
からっぽ島の我が村では、
「景色のいいところに、個室を作ってあげよう」
と思って、崖の上に4室の“リゾートマンション”を作った。
↑こんな感じに。階段を設置したので、崖づたいに部屋まで行くこともできるが、「やっぱり、一気に部屋まで登ってしまいたい」と借り主から声が出ることを考え、直通の梯子も設置してあるでw
木のブロックで制作したのは、俺自身が子どものころから、ログハウスに住むのが憧れだから。木の香り、木のぬくもりに包まれて就寝できれば、明日からの開拓にも力が入ることだろうw
そしてもうひとつ、住居と並んで真っ先に手を付けないと気が済まないのが、
“食料の調達”
である。
強制収容所の暴君
人間、生きていくうえで絶対に必要なのが、身体を動かす“エネルギー”だ。光合成ができない以上、これは食物から摂取する以外に方法はない(ジャック・ハンマーのような人の場合は違うかもしれんが)。
『ドラゴンクエストビルダーズ2』の村人たちも、(主人公を含めて)当然のように腹を空かす。そして、食べることを至上の楽しみにしているフシがある。
お腹が減ると、「腹減ったぞ!」と主張してくるし、食べ物が用意されていないと知ると、がっくりとうなだれたりもする。このへんの人間ぽい仕草はなんとも心に響くものがあり、だからこそ俺は、
「がんばって働いてくれているし、今後も気持ちよく開拓を進めてもらうためにも、まずは食料の確保に全力を注ごう!!」
と思ったのだ。その結果、
何を置いても農地開拓に注力し、穀物や野菜の流通を盤石なものとした。さらにはモンスターを狩っての肉の仕入れ、サボテンや果物を採取してのビタミンCの確保にも動き、カロリーと栄養の供給を完璧なものとしたのである。
俺はこの“食料の確保”については、すべてのプレイヤーが同じ方針だと思っていた。
だって、くり返しになるけど村人たちって、お腹が減るとすぐさま、
「腹減ったよぅ……」
とイヤミなほどアピールしてくるんだよ? この恩着せがましい主張に抗うことは難しく、ゆえに食料の調達を第一に考える人が多いと思っていたのである。
しかし、世の中にはいろんな人がいるもので。
ピラミッド強制収容所を運営する同僚のたっちーの村へ遊びに行ったときのこと。
砂漠の地べたで野宿する人々に驚いたことに続いて、村人たちにまるで生気が感じられないことに気が付いた。「これはどうしたことだ……?」と疑問に思い、たっちーに尋ねた。
「な、なあなあ。君のところの村人、一様にうなだれて“腹が減った……”ってつぶやいているんだけど、いま、食料って切れてるの??」
これに対する、たっちーの返答w
「ん? 食糧なんてないで」
俺は聞き返した。
「ん? つまり、切れてるんだろ? そういえば、畑はどこや?」
たっちー、「何を言ってんだコイツは」という顔で返す。
「畑なんて作ってないで。そいつらが腹を空かせているのは、いつものことや」
「え。じゃ、じゃあ、野菜の代わりに肉を取って来てるのか? ……そういえば、キッチンはどこや?」
「だから、食料なんていっさいないで。台所も必要ないから、作ってないんや」
「え?」
「え?」
俺、「ま、まさか……」と震え声でつぶやいてから、たっちーに最後の質問をした。
「ま、まさかと思うが……オメー、村人たちにまったく食事を与えていないのか!? ず~~~~っと腹を空かせているのけ!!? 主人公はどうしてるんや!!?」
言われたたっちー、さも当然とばかりに冷静に返してきた。
「当たり前やろ。食事なんて、いっさい与えていないで。主人公の分を、たまに用意するだけや」
俺はたまらず、泣き声で叫んだ。
「暴君きたぁぁああああ!!!! それ、地下収容所の『ハンチョウ』たちのほうがいい生活してるじゃねえかああああ!!!(泣)」
しかし、俺の涙の訴えは届かない。
「えーんや。彼らは食べなくても働けるんや。それでええんや」
ドSゲーマーの真骨頂……。
おしまい。