『レッド・デッド・リデンプション2』プレイレビュー 第0話
10月26日発売の週刊ファミ通巻末コラム“大塚角満のゲームを読む”で、まもなく発売される期待の超大作『レッド・デッド・リデンプション2』への熱い想いを語らせてもらっている。詳細は週刊ファミ通をご覧いただきたいが、その中で筆者(俺だけど)はシリーズ第1作の『レッド・デッド・リデンプション』について、
“(『レッド・デッド・リデンプション』は)ファミ通に入ってから24年のあいだに、星の数ほどのゲームをプレイしてきたが、その熱中度は間違いなくベスト3に入ると断言する。……いやベスト3どころか、もしかしたらナンバーワンかもしれない”
“触った瞬間に、「俺……いまとてつもないゲームに出会ったのかも」と思った”
““心のナンバーワンゲーム”に限りなく近い『レッド・デッド・リデンプション』”
などなど、暑苦しいまでの供述に終始。記事をチェックする副編集長たちの精神を、クタクタになるまで削ってやった。
そう……俺はとてつもなく好きなのだ!『レッド・デッド・リデンプション』が!! その最新作の発売直前に、黙っていられるわけがないのである!!
というわけで、ここで高らかに宣言しておきます。当ブログ“角満GAMES”のオープニングを飾る最初の連載プレイ日記は、件の『レッド・デッド・リデンプション2』となります!! ソフトが店頭に並ぶ10月26日からあることないこと書きまくろうと思っておりますので(ないこと書くなよ)、どうぞご期待ください!
▲『レッド・デッド・リデンプション2』のスクリーンショット。これを見ただけでヨダレが止まらなくなる。
……とはいえ、これを書いているのは10月23日。当然、ソフトは手元にないので遊ぶことはできない。でもせっかくなので、『レッド・デッド・リデンプション』について何か書いておきたい!!
なのでここでは『レッド・デッド・リデンプション2』プレイ日記の“序章”と題して、前作『レッド・デッド・リデンプション』のプレイ日記を1話だけ書いてみたいと思います。そして同じノリで、『2』の世界に突入できればなと!!
『レッド・デッド・リデンプション』は、『グランド・セフト・オート』シリーズなど、いわゆるオープンワールドのゲームで世界ナンバーワンの実績を誇るメーカー“ロックスター・ゲームス”が作り上げた新たなフランチャイズだ。
ゲームの舞台は、開拓時代末期のアメリカ西部。メキシコとの国境に隣接するこの土地を勝手気ままに駆け巡りながら、自由度の高い生活を送ることができる作りになっている。
……いま簡単に“自由度が高い”と書いたが、『レッド・デッド・リデンプション』の懐は信じられないくらい深く、プレイヤーのワガママで気まぐれな行動に、ゲームが余裕で付いてくるのを感じてしまう。何も考えず、ただただ馬に乗って荒野を流しているときでも、
「……はい、そんな動きをされたあなたには、こんなハプニングはどうでしょう!?」
って具合に、じつに自然で、それでいてリアルな“事件”を提供してくれるのだ。ときに猛獣に襲われて狩猟をさせられるハメになったり、ときに酒場のいざこざに首を突っ込んでケンカになったり、ときに原野で野盗と出くわして壮絶な銃撃戦になったり……。
「いまどきのオープンワールドは、それくらいやってくれるだろ」
と言われてしまうかもしれないが、この世界のあらゆる事象がじつにナチュラルに世界観に溶け込んでいるため、他のオープンワールドゲームと比べても圧倒的にリアルを感じさせられてしまうのだ。ふいに起こる予期せぬハプニングも、
「まあ、この世界だったら、そんなこともあるよなw」
と妙に納得してしまうものばかりで、ついつい時間を忘れてゲームの中に居座ってしまうのだ。
俺が、いまだに思い出して泣き笑いしてしまう“馬事件”というものがある。
『レッド・デッド・リデンプション』は開拓時代末期のアメリカ西部が舞台なので、メインの乗り物は“馬”だ。列車も走っているけど、プレイヤーキャラの日常の脚は徒歩か馬のどちらかで、やはり、より早く、より移動距離を稼げる馬に、どうしても重きを置いてしまうことになる。このへん、クルマに命を懸けている日曜日のお父さんと同じような感じだ。
馬は日常の脚なので、ゲームの序盤から乗ることができる。手に入れる方法もいろいろあって、たとえば原野で群れている野生の馬を投げ縄でとっ捕まえ、強引に慣らして乗馬にするのもアリ。また、店とか保安官の事務所に繋がれている高そうなお馬さんに勝手に乗って、そのまま逃亡してもいい。……まあ馬泥棒がバレればもちろん、犯罪者としてブラックリストに載って、保安官に追われることになったりもするが。まあこういう時代なので、それもアリと言えばアリだ。
手に入れる方法からして自由なので、馬にもキチンと個性がある。体格や模様といった見た目はもちろん、走る速度も違ったりするので、お気に入りの1頭を見つけたら、
「もう、キミのことを離さないぞ!!」
ってんで手籠めにして、専用の乗馬にしてしまう。このメインの乗馬は、口笛を吹くとどこからともなくピュ~~~ッ! と跳んできてくれるので、それこそ専属のハイヤーを手配する感じで使いこなすことができる。これが、じつにかっこよくて気持ちがいいのだ。
ゲームの序盤は、そこらにいる駄馬をテキトーに乗りつぶしていた俺だったが、やがて栗色の美しい馬に出会った。乗ってみると脚も速く、性格も従順で、どんなに遠く離れたところにいても口笛ひとつで、
「ダンナ!! いますぐに!!!」
と言わんばかりの勢いで跳んできてくれた。俺はいたくこの馬を気に入り、
「すばらしい馬に出会った……。今日からお前は、俺の愛馬だ。名前は“セキト”にしよう!」
と、最上級の名前を与えて慈しんだのであった。
そんな、ある日。
複雑な運河が張り巡らされたとある街に立ち寄り、いくつかの用事を済ませたときのこと。
「よし、ボチボチ帰るかなー」
なんてリアル世界の退社時間のようなことをつぶやきながら、いつものように、
「ぴゅ~~~!!」
と口笛を吹いた。そう、セキトを呼ぶ合図である。これを聞けばどんなところにいても、彼は風になってやってきてくれるのだ。
ところが不思議なことに、そのときに限ってセキトは現れなかった。
……しかし、『レッド・デッド・リデンプション』では、このような出来事は日常茶飯事。呼ばれた馬が建物に引っ掛かったりしてしまって、近くまで来れないことは何度もあった。なのでこのときも深くは考えず、そのうちにならず者にケンカを売られてそっちの対処をしてしまったため、セキトのことは完全に頭から消えた。だって、よくあることだったから。
しばらくしてならず者を追っ払い、俺は改めて「ぴゅ~!」っと口笛を吹いた。すると……おお、来た来た。セキトだセキトだ。
「おー、よしよし^^ よく来たね~~~^^」
とたんにムツゴロウさん化した俺は、慣れた手つきでセキトの背にヒョイと乗った。そして、一段高くなった目線で街並みを睥睨し、
「よし、帰るか」
そう呟いて、ポクポクと歩き始めたのである。
前述の通りこの街はそこら中に運河が走っていて、あちこちに風情のある橋がかかっている。そのうちのひとつに通り掛かったとき、ふいに橋の下に何かが沈んでいるのが見えた。
「……ん? なんだ? 魚かな?」
魚にしては……大きいな。それに、動いていないようだし。
さらに近づいてよく見ると……あれ、これ、馬じゃんww 俺は「あちゃ~www」と笑った。
「あらら……w 馬が沈んでしまっているよ……。栗毛の……けっこうキレイな馬なのに。脚を踏み外したのかなぁ……」
何度も書くが、『レッド・デッド・リデンプション』では、こういうシーンも珍しくない。リアルな環境があり、そこで人も、動物も、それぞれの行動様式に沿って生活しているから、馬が脚を踏み外して沈んでいることも、決して珍しくないのである。
「もったいないけど、けっきょくは駄馬なんだろうなw 水に落ちちゃうくらいだしw ウチのセキトとは、モノが違う」
俺はセキトに「さあ行こう!」と鞭を入れた。このまま自宅まで、ツーリングとしゃれこもうか。
ところが。
しばらく走っているうちに、何とも言えない違和感がくすぶり始めたのを感じてしまった。
なんだろう……?
どことなく……セキトのスピードが、遅い気がする。いつもより、ほんのちょっと……。もしかして、馬にも体調があるのだろうか? それとも腹が減ってて、走る気をなくしているとか?
……いや、そんな話は聞いたことがないぞ。
「おっかしいな……」
俺は馬の脚を止め、しばらく画面を眺め続けた。
何かがおかしい……。
夕暮れになってきたせいか、馬の色まで違って見える。
セキトは、キレイな栗色の馬だ。そう……さっき見た、水に沈んだ馬みたいな…………。
「セキ……ト……?」
しげしげと、セキトの馬体を見てみた。そして、違和感の正体に気づく。
「こ、このセキト…………なんか身体が、黒いような……!!!!! ……って、色、ぜんぜん違くね!!!???」
疑い出したら、もう止まらない。
「ちょ!! ま!!! え、ええええええ!!?」
背から降りた俺は、ありとあらゆる角度からその馬を調べた。顔……身体……脚……! そして、恐ろしいことに気づいてしまう。
夕日が落ちる西部の荒野に、ガンマンの悲鳴が轟いた。
「あんた誰ぇぇぇえええええ!!!!??? どどど、どこの馬やねんコレ!!!! ててて、ていうか、セキトは!!? セキトはどこに…………」
混乱する俺の脳ミソに、先ほどの水死体の姿がリアルに蘇った。
「さささ、さっきの馬の水死体…………(((;゚Д゚))) あれがセキトだったんだぁぁあああ!!!!!!(泣)」
そうなのだ……。
俺の口笛に反応して、セキトは律義に運河の街にやってきたのだ。しかし、張り巡らされた細い道と橋に脚を取られて水中にドボン。そのまま、還らぬ人……じゃなかった、還らぬ馬になってしまったのである……。俺はそれに気づかず、どこの誰とも知れない馬の骨(文字通り)に跨り、
「うっは……ww 馬が沈んでる……w」
と薄ら笑いをしていたという……(((;゚Д゚)))
……カンバーーーーック!!! セキトーーーー!!!! 戻ってきてくれえええええ!!!><
……これが、『レッド・デッド・リデンプション』を遊んでいて、もっともショックだった出来事です……w
……こんな感じで、『レッド・デッド・リデンプション2』での生活を、毒にも薬にもならないプレイ日記として発信していこうと思います。末永くお付き合いくださいませ~!
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