『エンド オブ エタニティ』で指を攣るオヤジの話

PS4版『エンド オブ エタニティ』 プレイレビュー

御託を並べる前に、ひとつ白状しなければならないことがある。

旧・『エンド オブ エタニティ』のことだ。

いまから8年以上前の2010年1月28日に発売された、プレイステーション3、Xbox 360用のRPG……。いまでもはっきり覚えているし、いまだ自宅のゲーム棚にパッケージが入っているが、俺はこれのXbox 360版を買ったのである。

すべてのオブラートを剥いで書くが、当時のゲーム機稼働率は圧倒的にプレイステーション3が上だったと思う。……“思う”じゃないな。確実に、神に誓って、プレイステーション3でばかり遊んでいた。

それでも、『エンド オブ エタニティ』に関してはXbox 360版を買った。そして、それには“俺なりの”理由があるのだ。

Xboxシリーズは日本では非常に苦戦を強いられたが、ことRPGに関しては、毎年必ず1本は佳作……いや、かなりの傑作が発売されていた時期がある。“日本のゲーム市場でプレゼンスを高めるには、オリジナルRPGの供給が急務である!”と断じたマイクロソフト日本法人が本気になり、いまでも語り草になっているXbox 360オリジナルのRPGをつぎつぎと投入したのだ。

2006年の『ブルードラゴン』。

2007年の『ロストオデッセイ』。

2008年の『インフィニット アンディスカバリー』

2009年の『ラストレムナント』

そして、プレイステーション3とのマルチではあったが、2010年の『エンド オブ エタニティ』--。俺は、『ブルードラゴン』を始発駅としたXbox 360用RPGの各駅停車に乗り、ひと駅ひと駅キチンと降りて散策を楽しんだ口なので、『エンド オブ エタニティ』もこちらを買ったのであった。

しかし--。

ここからが冒頭の“白状”になるのだが、じつは俺、旧・『エンド オブ エタニティ』を途中で投げ出した人間であった(それを言うと『ラストレムナント』も最後まで行かなかったが)。……いや!! 「なんか変わってて、おもしろいかも?」とは思ったのよ!! 戦闘シーンはもちろん、ワールドマップでの移動方法からして、

「そんじょそこらのRPGとは、違うことやったるけん」

という作り手側の気概が伝わってきて、「ナルホド、これは新しいな」と感心させられた記憶があるし!

でも、途中でやめてしまった……。それも、凄まじい序盤……w もう完全に、未プレイといっしょレベルだ。

だって……あまりにも戦闘が目まぐるしくて、すでにおっさんだった俺はいつまでも、

「あ、あふあふ……。えっとえっと、敵をターゲットして仲間とうまく陣形作ってふたりの間を駆け抜けてなんか線光らせてボタン押して攻撃……って攻撃食らったしえっとえっとあふあふあふ……」

あふあふあふあふと泡を噴いて混乱しまくり、ついにはコントローラーを持つ指が攣って

「ああああ……>< だ、ダメだ……>< ハードルを越えられない……」

とすべてを諦め、ソフトをゲーム棚に埋葬したのでありました。

あれから8年--。ついに汚名を返上するときがきた……!

プラットフォームをプレイステーション4とし、フルHD、4Kにも対応した美麗な世界で、“戦略性と爽快感が共鳴する体験したことのない銃撃バトル!”を展開させるのだ!! ……ってコレ、公式サイトに載っているキャッチコピーだけど、8年前はわし、まっっっったく共鳴させられなかったからな! リーンベルちゃん、ゴメンよ……>< 今度こそキチンと、舞いを踊らせてあげるからね><

というわけでさっそく、ゲームを起動してみた。

おおお……! テレビを4K対応にしておいてよかった……!!

ここからいよいよ、戦略性と爽快感が共鳴する体験したことのない銃撃バトルが始まるのだ。

しかしここで、思いもよらない出来事が起こる。

おい!!! 『エンド オブ エタニティ』、わしがやりたくて買ったんだぞ!!! わし、8年前もキチンとエンディングまで行ったけんね!!! 挫折組のキサマとは、気合が違うんじゃ!!!

フーッ! フーッ! と野良猫のように威嚇して、同僚のたっちーが俺からコントローラーを奪い取った。……まあ確かに、我が事務所の10月以降のゲームスケジュールには、

●『エンド オブ エタニティ』 た
●『レッド・デッド・リデンプション2』 角
●『絶体絶命都市4』 た
●『ドラゴンクエストビルダーズ2』 角

と、タイトルとともにメインプレイヤーの名前が書かれている。そこで仕方なく、「まあ、交代交代でやろう」と妥協し、ゆるゆると先に進むことになった。

このゲームのキモとなるのは、何を置いても“戦闘”であろう。テキトーなガチャプレイでは絶対に越えられない、厳然たる壁があるから。でもだからこそ、ウォールマリアのような巨大な壁を越えた暁には、『エンド オブ エタニティ』でしか得られない強烈なカタルシスを得られる。シツコイが、“戦略性と爽快感が共鳴する体験したことのない銃撃バトル”のコピーは、伊達ではないのだ。

でも正直に言うと、俺とたっちーは壁を越えるまでに、ひと騒動している。それは、街の住人の話をテキトーにすっ飛ばしていたからこそ起こった悲劇なのだが、初めてワールドマップに出て、

わけもわからずウロチョロしていたら戦闘になって、

何をどうしたらいいのか、8年ぶりなので1ミリも覚えておらず、

そのうちにボッコボコにやられ、

ゲームオーバー…………wwwww

って、笑いごとじゃねえええええ!!!!

なんやねん!! 何すりゃいいのか、さっぱりわからねえぞ!! ……あ、またちんだ!! 復帰に100ルビー取られるから……すでに1000ルビーくらい失ってるんですけど!!」

俺がわめいた。するとたっちー、「貸せ!!! キサマにゃ無理や!!! わしがやる!!!」とコントローラーをブン獲るも……。

あ……! ちんだ…………。……どないなっとんねん!!!

オメー、8年前にエンディングまでいったんじゃねーのかよwww

しかしこのままでは、プロローグを終える前にエピローグになってしまうぞ。……それはいかん!! どうにかしないと!!!

ここで俺たちは一度、「冷静になろう」と言い合った。

こんな、何の導きもないままに複雑極まる戦闘に放り込まれることが、果たしてあるのだろうか? ファミコン時代のゲームならあり得るかもしれないが……いまは2018年なのだよ。

「おかしい。何かを見落としているに違いない。この戦闘モードに、チュートリアルをやらずに入るのは自殺もいいところだし」

たっちーのもっともな発言に乗り、イチから情報を集めることにした。するとだな……。

あ………………。せ、戦闘をやるなら、まずは“闘技場”に行けって……w そこで懇切丁寧に、バトルのやり方をチュートリアルしているってよ……wwwww」

早く言ってよぉ!!!(いや言われてたんだよ)

いまから『エンド オブ エタニティ』を遊ばれる方に言っておきます。

まずは闘技場に行こう!!w 文字通り、話はそれからだッ!!!ww

この闘技場でチュートリアルを受けると、視界の霧が晴れるがごとく、ゲームの表情がガラリと変わる。……そう、おもしろくなるのだ!! それも……メッチャ極端に跳ね上がる!!

たくさんの専門用語、状況把握、陣形……などなど、覚えることもいろいろある戦闘モードだが、“I.S.ゲージ”、“インビンシブル・アクション”、“レゾナンス・アタック”という3つの単語を意識して立ち回っていれば、まあ序盤はなんとかなるはず(ざっくりでスマン)。このへんをキチンと狙ってできるようになれば、『エンド オブ エタニティ』の沼にハマってしまうはずだ。

言葉で説明するのが非常に面倒なゲームなので、何枚かスクショを載せてごまかそうと思いますw ……あ、まだ始めたばかりなので、序盤の序盤ですけど。……あともうひとつ、戦闘シーン、めちゃくちゃかっこいいんですけど、あまりにも目まぐるしすぎてプレイステーション4のスクショ機能だといいシーンを撮れない!! なのでぜひ、これは動画等で確認いただければなと……。




▲ワールドマップや街の風景など。ワールドマップで移動するのも、じつはひと筋縄ではいかない。ヘックス上になっているパネル部分に道を作らないと、目的地にも行けないんです。パネルを開けると宝が出てくることも。




▲これが戦闘シーン。……まあ、やってみてくださいw

 ぜひぜひ最後まで進めて、エンディングを見たいと思います。

しかし改めて……よくぞまあ、これほど複雑な戦闘モードを考えたなぁ……(感心)。