大塚角満の熱血パズドラ部 第705話
話題沸騰中のモンハン×パズドラコラボの第3弾。新規に導入される新モンスター5体の能力をムラコがぼちぼち明かし始めていて、3月25日のスタートを前にますますの盛り上がりを見せている。
さてここでは、新モンスターの能力だとか強さだとかは他のサイトにお任せし(俺が書いても説得力がないしな)、パズドラとモンハンの記事を書き続けている大塚角満ならではの試みとして、新規追加の5体(セルレギオス、ゴア・マガラ、ヤマツカミ、アカムトルム、ミラボレアス)に関する(モンハン目線の)エッセイを公開している。前回の“ヤマツカミ”に続いて、
拙著『別冊『逆鱗日和』角満式モンハン学~モンスター編~』に収録されている“俺とアカムトルム”というエッセイからの掲載です。もちろん、パズドラをするうえでは毒にも薬にもならないけど、
「アカムトルムってのは、こういうモンスターだ!!」
と、これを読んで知ってくだされw
モンハンエッセイ:俺とアカムトルム
アカムトルムは、初登場となった『モンスターハンターポータブル 2nd』では最後の緊急クエストに登場するいわゆる"ラスボス"的なモンスターだった。『2nd G』ではその上にウカムルバスが登場したので多少立ち位置は変わったが、アカムトルムが示す存在感は相変わらず、『2nd G』でも健在だった。触れてはいけない、禍々しくも神々しい『モンハン』世界の頂点に立つ威圧感は圧倒的で、アカムトルムがグラビモスを子ども扱いして屠り去っているデモムービーを観たとき、筆者は「こんな怪物、狩れるわけねえだろ(苦笑)」と、思わず呆れ笑いをしてしまったものだ。
筆者がアカムトルムを初めて見たときに直感的に思い出したのが『ウルトラマン』シリーズの最終回だ。
筆者が子供のころに観ていた『ウルトラマン』シリーズでは最終回に必ず、それまで登場してきた怪獣たちとは明らかに違う威容を誇るモンスターが登場し、「最終回だから好き放題やるぜ!」って感じで地球を壊しまくっていた。これを見た主人公、「1秒でも早くウルトラマンになって怪獣を倒さなければならぬ!」と強く思い、一般の人が見ている前で思わず、ウルトラマンやウルトラマンタロウに変身してしまう。結果、怪獣を打ち倒すことには成功するのだが、ウルトラ一族は一般人に正体がバレてしまうことを最大の禁忌としていたため、これがもとで彼らは地球を去ることになってしまうのであった……。
アカムトルムは、ウルトラマンをも追い詰めた"最終回の怪獣"を思わせる迫力があった。さすが、最後の緊急クエストに登場するモンスターである。生み出した『モンハン』制作チームも、まさに"とっておき"のモンスターをここにぶつけてきたのではなかろうか。なので筆者は思った。「我が正体が大塚角満であることがバレてしまうかもしれんが、ここは覚悟を決めて爆裂のウルトラガンランサーに変身せねばならぬ!」と。「俺が止めないで、誰がアカムトルムの暴走を止めるんだ!」とも思った。この『2nd』は自分のソフトなんだから止めようが止めまいが勝手にしとけってところだが、そんなことにも考えが及ばぬくらい、筆者は取り乱していたのだ。
それほどアカムトルムのイメージは強烈だったわけだが、残念なことに筆者は、このモンスターとのファーストコンタクト時の出来事をほとんど覚えていない。驚きのあまり、そのときの記憶が封印されてしまった感じなのだ。覚えているのは、ひたすらビビりまくっていたことくらい。アカムトルムが地面に潜ったら「うわあああ! 消えた消えた! どこだどこだ!」と騒いで走り回り、最大の必殺技・ソニックブラストが吐き出されるのを見たら「!! 口からなんか出たなんか出た! おっかねえおっかねえ!!」と泣き叫んで、やはり闇雲に右往左往していたと思う。当然、攻撃する間合いになんて入れるわけもなく、筆者はアカムトルムから数100メートルも離れた位置に陣取りながらもガード姿勢を崩さず、ひたすらジリジリとにじり歩きをしていた記憶がある。……って、けっこう覚えているもんだナ。このときのこと、完全に忘れていたと思ったんだけど。……あ、でもこれ、最初に会ったときのことじゃないかも。ていうのもけっこう長い期間、アカムトルムのクエストに行くたびに同じことをやっていたので……。うーん。悪しき記憶の代表選手だなアカムトルムは……。
このように筆者はアカムトルムというモンスターに対し、「最終回に登場するモンスターなんだから」という思いもあったので軽々しく扱うことはなかった。しかし、多くのハンターは筆者とは違う感情を抱いてアカムトルムに接していたようである。
そう、アカムトルムはその威容に反し、"お金儲け用のモンスター"として見られる傾向が強いのだ。
アカムトルムの攻撃は前述のソニックブラストを除けば、1発で昇天させられるような凶悪なものは存在しない(もちろん、防具によるけどね)。そのソニックブラストにしても吐き出すまでのモーションが緩慢なので、まず食らうことはないだろう。ラージャンとか、あんなモンスターやこんなモンスターのように、1発食らっただけで即昇天しちゃうような文字通りの"必殺技"がないので、慣れてしまえば非常に立ち回りがしやすいモンスターだったのだ。複数人でやるとなったらなおさらだ。閃光玉で一瞬だけ目を眩ませることもできるので、回復や武器を砥ぐこともこの間に余裕でできる。そして何よりも素材がべらぼうな高値で取引されているので、ベテランハンターたちはお金に逼迫してくると「アカム銀行行ってくる」と言い残して、アカムトルム襲撃に出かけていった。
そしてこのとき、多くのハンターが装備していたのが"ガンランス"だ。大剣や太刀と比べてメイン武器として使用されることが少ないガンランスにとって、唯一と言っていいくらいの見せ場が対アカムトルムだったのである。ガードを固めて腹の下に潜り込んで突っつきまくれるという相性のよさと、肉質を無視してダメージを与えられる砲撃の強みがアカムトルム戦では活きた。「ガンランス、なかなかやるじゃん!」と全国の人に言われ、まるで自分がホメられているような気分になって妙にこそばゆくなったのを覚えている。
しかし、そんな思いも一瞬だったヨ。
「アカムトルムにソロで挑むときはガンランスが最高なので、ミドさん(俺のこと)なんて狩りまくりでしょう」と多くの人に言われ、当時筆者はやったこともないくせに「まあね。アカムにはガンランスだからね。余裕余裕」などと上から目線で気取っていたのである。で、そこまで多くのハンターが言うならよっぽど簡単なんだろうと思い、ひとりガンランスを担いでアカムトルムの前に立ったわけだ! しかし、閃光玉は当てられねえわソニックブラストを食らって1発で昇天するわクーラードリンクは足らなくなるわでもう散々。その後、「ミドさん、アカムなんて余裕なんだろうね」と言われてもすっかり歯切れが悪くなっちゃって、「う、まあ……。でもアレだよネ。なんだかんだ言って協力プレイでやったほうが楽しいよね。アドホック最高」なんて、よくわからないことを言ってお茶を濁したりした。そして化けの皮が剥がれるのが恐くて、なるべくアカムトルム討伐には出向かないようにしていたりした。
『2nd G』になってアカムトルムとの決戦も増え、いつの間にかひとりでも狩れるようになったが、どうにも筆者アカムトルムには苦手意識がある。三つ子の魂百まで……じゃないけど、『モンハン』を遊び続ける限り、この思いが消えることはないんだろうなぁ。そういう意味でもアカムトルムは、筆者の中で"禍々しくも神々しい存在"なのである。
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