大塚角満の熱血パズドラ部 第889話
今朝--。
同僚のたっちーから、謎のメッセージが送られてきた。
なんだこの……ヴォイニッチ手稿を思わせる意図不明の顔文字の羅列は……。
「な、なんやなんや!! 何が起こってるんや!!?」
半ば怯えながら返信すると、たっちーはつぎのように答えた。
「なんやじゃないわ!!! 昨夜、パズドラの生放送で、今世紀最高の発表が行われたやろ!!! これが落ち着いていられるかッ!!!」
こ、今世紀最高の発表……!!
俺はすぐにピンと来て、ワクワクしながら返す。
「た、確かに……!!! 毎日、魔法石が5個配布されるんだよな!!! 期間中の合計個数は、前人未到の305個ッ!!! これは確かに今世紀」
そこでピシャリと、俺の発言はたっちーの怒鳴りでかき消された。
「違うわあああああああ!!!!(怒) スレイヤーズや!!! オーフェンや!!! フルメタルパニックや!!!! 富士見ファンタジア文庫と、パズドラがコラボするんやぁぁあああああ!!!」
どうやらたっちー、たいへんお喜びのようであるw
最強のコンテンツ!
聞けば先のヴォイニッチ手稿は、
「『スレイヤーズ』の技の名前や!!! 知らんのかキサマッ!!!」
とのこと。残念ながら、まったく知らなかった。
そういえば……と思い出す。
たっちーは絵に描いたようなオタク女子で、驚くほど漫画やアニメに造詣が深いのだが、なかでも、
「わしの思考の9割くらいは、富士見ファンタジア文庫のラノベで作られている」
と言ってはばからなかった。とくに『スレイヤーズ』に関しては、
「この世にあまたあるコンテンツの中で、ダントツでいちばん好きなのが『スレイヤーズ』である!! わしの原点であり、永遠のナンバーワンなのだ!!! そもそもわしがKADOKAWAに入ったのは、そこが『スレイヤーズ』の出版元だったからやで!!(※元KADOKAWAの営業)」
と力説していて、
「アニメのDVDボックス、OVA……すべてあるので、いつでも貸してやるよ^^^^」
と主張していたのである。しかし、それを聞いた俺の反応は、
「へーーーー」
「ほーーーー」
程度にとどまり、そのたびにたっちーは、
「……ちっ。つまらねーヤツに話しちまった……」
と、しかめっ面になって去っていったのである。
そんな、青春を捧げた『スレイヤーズ』がパズドラとコラボするってんだから、ここぞとばかりに大騒ぎを始めたとしても仕方のないことなのかもしれない。
富士見ファンタジア文庫レジェンドコラボ!
解説のたっちーによれば、今回の富士見ファンタジア文庫レジェンドコラボのラインアップは、
「すばらしいのひと言に尽きる!!!」
らしい。解説に耳を傾けてみよう。
「『スレイヤーズ』は、もはや説明も不要な世界一のコンテンツである(※注:個人的見解です)。そして『オーフェン』、『フルメタル・パニック』も若者のあいだで一大ムーブメントを巻き起こした、富士見ファンタジア文庫の筆頭格なのだよ!!」
ほうほう……と感心しながら聞いていると、たっちーはつぎのように付け加えた。
「はっきり言って、KADOKAWAの存在意義の99%以上は、富士見ファンタジア文庫のラノベが占めていると断言できる」
へーーーーー……と頷きかけたが、さすがに口を挟もうと思った。「……って、ちょ、俺、元ファミ通の……」。しかし、たっちーはそれを許さない。
「まあとにかく、そんなすばらしいコンテンツ群と、パズドラはコラボしてくれたわけや。さすがと言わざるを得ない。わしはこの日のために溜めていた魔法石200個以上を、すべてこのコラボガチャに突っ込むことを宣言する!!! そして……ガチャで出るコラボキャラは、絶対にコンプリートするんや!!!」
間違いなく、たっちーがもっともパズドラに傾倒した瞬間であったw
リナのイラストはこう見ろ!
ちなみに、今回のコラボイラストを見たたっちーの感想は、
「めちゃくちゃいい!! とくに、リナ(『スレイヤーズ』の主人公)の進化前。完璧や!! 色の塗り方とかも、非の打ち所がない!!!」
さらに、こんなことも……。
「リナの進化前と究極進化、衣装が違うやろ。肩の防具とか、中の服とかな。これ、進化前は『スレイヤーズすぺしゃる』という外伝的な作品で着てた衣装で、究極進化はアニメ版の『スレイヤーズNEXT』から着ていた衣装やねん。あ、『すぺしゃる』は平仮名やからな。カタカナで書くなよ。ちなみに、わしがいちばん好きなのは『スレイヤーズNEXT』ね」
もう、「ほーーー……」としか言えないのだが、リナのイラストを見比べてみよう。
リナの進化前↓
リナの究極進化↓
なるほど……。言われてみれば確かに、衣装が違う気がする。こういった芸の細かいところが、オタクにはたまらなくうれしいポイントのようだ。
「いやぁ~~~^^ パズドラやっててよかった^^ わしもう、富士見ファンタジア文庫コラボのキャラしか使わないけん、プラントアーミーズは卒業な^^^ ひとりでやっててくれ^^^^」
たっちーはそんな捨て台詞を吐き、
「あー楽しみ^^ ホント楽しみ^^」
調子っぱずれな鼻歌を歌いながら、秋葉原の雑踏に消えていった……。
おしまい……。
“超熱血パズドラ部”に関するお知らせ
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このたび、さまざまな理由から、超熱血パズドラ部を当サイトから切り離し、生まれ故郷である“ファミ通App”に引っ越しさせることになりました!