大塚角満の熱血パズドラ部 第710話
ついにこいつのことを書く日が来たか……。まさか俺が生きている間に、大手を振って黒龍のことを綴れるときが来るなんてな……。
3月25日より、パズドラのモンハンコラボ第3弾が実施されている。ここでは、パズドラとモンハンの記事を書き続けている大塚角満ならではの試みとして、新規追加の5体(セルレギオス、ゴア・マガラ、ヤマツカミ、アカムトルム、ミラボレアス)に関する(モンハン目線の)エッセイを公開しているわけだけど……。
ここまで紹介してきたヤマツカミ、アカムトルム、ゴア・マガラ、セルレギオスに関しては、『逆鱗日和』シリーズに収録されているエッセイをそのまま載せてきたわけだけど、黒龍に関してはそれができない。なぜかと言うと、俺はいままで1500本くらいモンハンの記事を書いてきたけど、黒龍に関してはただの一度も、その存在にすら触れたことがないからだ。
でも、じつは--。
1本だけ、黒龍をテーマにして書いたエッセイが存在する。書いた本人もうろ覚えで、
「そういえば一度だけ、黒龍のことを書いたことがあるような、ないような……」
って程度の記憶だったのだが、過去の文書ファイルを漁っていたら見事に発見されました。
このエッセイ(?)は拙著、『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学~モンスター編~』の第1弾に書き下ろしで収録しようと思って書いたものだ。ナゼかというとこの単行本は、『モンスターハンターポータブル 2nd G』までに登場するすべてのモンスター(ポポとか大雷光虫なども含む)のエッセイを書く……という恐ろしい方針で作ったものだから。しかし諸般の事情で黒龍については収録することが叶わず、10年ものあいだ俺のPCで眠っていたのである(この単行本の初版は2009年4月13日付でした)。
そんな幻のエッセイをお楽しみいただこうと思います!
モンハンエッセイ:俺と黒龍
あるとき、ホラ吹きで有名な怪しいモノ書きのO.K氏(※注:わしのことですな)が、瞳孔が開ききってしまった眼球をむき出しにして筆者の研究室に飛び込んできた。「あわわわわ!」とか「あうあうあう!」とか「ΩΣ※Щ¢£☆#%&!!!」とかわけのわからない言語でわめくO.Kさんを何とか落ち着かせ、いつも以上に慌てふためいてしまっている理由を質す。するとO.K氏は蒼白だった顔面をさらに白くし、カチカチと歯を鳴らしながら筆者にしがみついてきた。そして震える声でこう言ったのだ。「ミミミ、ミラボレアスを見ちまった……」と……。
ミラボレアス……。
この『モンハン』世界にある"最大の禁忌"とも言われている伝説上のモンスター。それを指して"ミラボレアス"と呼ぶことくらいは、モンスターを研究する身なので知ってはいた。しかしミラボレアスについてはいくつかのフォークロアが残されているくらいで、その生態はもとより、どれくらいの大きさなのか、そしてどんな姿をしているのかすら、正しく伝えられる人間はいないのである。
ところがO.K氏は、確かにミラボレアスを見たという。想像図すら存在しないミラボレアスを指して「確かに見た!」と断言するあたり、ホラ吹きの面目躍如といったところだが、本気で取り乱している彼の姿と真剣な口調は、不思議なほど説得力があった。私は尋ねた。「いったいどこで、ミラボレアスを見たんですか?」と。相変わらずの震えた声で、O.K氏はこう答えた。
「シュ、シュレイド城だよ……」
あああ、あんたシュレイド城に行ったのか!!?
詳しい説明もなく「危険だから」の一点張りでギルドによって封鎖された謎の城。あそこに忍び込んだってのか!!
「ああ……。ギルドが何を隠しているのか、どうしても知りたかったんだ……。そそそそうしたら、黒い雲が厚く垂れ込めた暗黒世界を思わせる空から、そいつが降りてきたんだよ……!! あああ! もうこれ以上しゃべれない!! おおお、恐ろしい!!!」
そう言ったきり、O.K氏は口をつぐんでしまった。もうこちらが何を問いかけても、答えてくれることはなかった。
そして数時間後、私がちょっと席を外した隙にO.K氏は研究室から消えてしまった。1枚の絵を残して……。
(思いっきりパズドラのスクショだけど……w)
これがO.K氏が見たミラボレアスなのだろうか……?
“超熱血パズドラ部”に関するお知らせ
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このたび、さまざまな理由から、超熱血パズドラ部を当サイトから切り離し、生まれ故郷である“ファミ通App”に引っ越しさせることになりました!