【モンハンワールド】逆鱗日和 第42回:狩王決定戦にて
ぶっちゃけ、悔しさのあまり寝込んでしまったくらいなので1文字たりとも書きたくないのだが、キチンとがんばってきたことの証明と、わずかながら希望の光も見えたので(後述する)、涙で目をにじませながら記しておく。
何をそんなにヘコんでいるのか? というと……『モンスターハンター:ワールド』のタイムアタック最速を決める大会、狩王決定戦2018に関してですよ!
過去3回の狩王決定戦において、僕は同僚の女性を相方にして、右肩上がりの成長を遂げてきていた。1回目は、記憶に残っていないほどの大惨敗。2回目は激戦区東京を舞台に、200組以上が参加した中で22位と健闘! そして3回目の前回は、仙台地区大会において総合10位(!)という躍進を遂げていた。これだけ結果が出てくると、人間というものはやはり、欲が出てくる。
「『モンハン:ワールド』の狩王決定戦ではベスト8に残り、ステージに上がってやる!」
とね。この、飢えと欲求を満たすために、地区大会の概要が発表されたその日から、僕と相方は練習に明け暮れることとなった。
予選の種目は、“プケプケ”というモンスターの討伐だった。時折、トリッキーな動きをしてくるモンスターではあるが、武器(5種から好きなものを選択する)によっては拘束用のアイテムが豊富にそろっており、それを見ただけで、
「今回の予選は……相当タイムを削れないときびしいな……」
ということがわかった。そして この予想は、すぐに現実のものとなるのである。
狩王決定戦の地区大会は、4月22日の東京大会を皮切りに全国7都市で実施されたのだが、1会場目の予選においていきなり、トップのチームが49秒台の驚異的なタイムを記録! しかも、ステージに上がれるボーダーラインの8位のチームですら、57秒台を叩き出したというね……。
このとき、僕らのチームの最速タイムは、1分7秒ほどだった。それでも、かなり速いんじゃないかと思っていた。
「1分10秒を切れれば、ワンチャンあるんじゃね?w」
と、ヘラヘラ笑いながら言い合うほどに。しかし、アスリートのポテンシャルは、凡人の想定など遥かに凌駕していたのである。
この日をきっかけに、僕らは作戦の変更はおろか、武器の選定もイチから考え直すことにした。仕事の都合で、我々が参戦するのは6月2日の札幌大会(地区予選最後の地)としていたので、まだまだ時間はたっぷりとあったのだが、
「1分を切ったうえで安定させないと、予選通過は不可能だ」
ということで、徹底的にプレイを重ねて、立ち回りを身体に染みつけようと思ったのである。
けっきょく、武器をとっかえひっかえし、作戦も練り直して、1分10秒前後で安定していたタイムが、いつしか1分20秒ほどになった(苦笑)。「これは産みの苦しみだ」と思うようにはしていたが、毎週のように行われていた地区大会の結果を見、そのたびにズーンと落ち込んで、「やっぱり、俺らには無理かな」とお通夜のような気分に……。精神的に、なかなかきびしい時期だったと思う。でも、安っぽく使いたくないが、やっぱり努力は裏切らないんだよな。
失敗しても失敗しても、めげずにリトライをくり返すうちに、タイムが59秒台で安定するようになった。そして最速タイムは、57秒30。平均すると58~59秒くらいだったので……予選突破の確率は、かなり高いかもしれん!
そして迎えた、6月2日。
本番直前に30秒だけ練習ができたのだが、ここでの動きも快調だった。僕は相方に、「いけると思う!」と力強く言い、本番のフィールドに飛び込んだのである。
しかし……。
冒頭で、僕が痛恨のミス。練習で、50回に1回くらい同じミスをしてしまっていたが、まさか本番で、その1回を引くなんて……。
結果、僕たちは練習の平均から15秒も遅いタイムを叩き出し、無念の20位。練習に費やした2ヵ月の日々と、700頭も狩ったプケプケの無念たるや……。僕はしばらく声も出せなくなり、辻本良三プロデューサーや藤岡要エグゼクティブディレクターの励ましも振り切って、札幌大会を後にした。こんなに悔しかったこと、46年の人生でも数えるほどしかないわ。
が! ドン底に沈み込む僕を救済するような発表が、この日に行われたのである。来る7月15日に狩王決定戦の決勝大会が開催されるのだが、なんとそこで、当日最終予選が開かれるのだ!
「泣いている場合じゃないぞ! 最終予選でリベンジするで!」
相方の激を受け、僕は再び立ち上がる。この、転んでも何度も立ち上がる精神性こそ、e-sportsを“スポーツ”と言わしめているゆえんなのかもしれない。待ってろよ、全国のツワモノたちよ!
(週刊ファミ通:巻末コラムより)
『モンスターハンターライズ』プレイ日記 逆鱗ぶいっ! Vジャンプレイにて連載中!