【モンハンワールド】逆鱗日和 第30回:ユラユラを捕まえろ!
『モンスターハンター:ワールド』で導入された新たな楽しみかたのひとつに、“環境生物の捕獲”がある。スリンガーに捕獲用ネットを装着し、あんたは投網漁師かスパイダーマンかという早業で放って小動物を絡め獲る……という遊びである。
これ、ただ単に、虫やトリをとっ捕まえると図鑑が埋まっていく……という“作業”にとどまっていたら、ここまでおもしろいものにはならなかったと思う。何がステキかって、アステラに戻ってマイルームに突入し、ルームサービスのアイルーに話かけることで、室内に捕まえた小動物を放てるのが「たまらない!!」のだ。
俺は自他ともに認める動物好きなので、キャンプに降り立ったらすぐに、スリンガーに捕獲用ネットをセットする。そしてフィールドに飛び出したら大型モンスターなんざ目もくれず、
「どこぞに珍しい生き物はいねぇがー!! いねぇがー!」
とナマハゲ化して、まだ見ぬ珍しい環境生物探しに興じるのである。夏休みの昆虫採集気分で、これがまことに楽しいのだ。
そんなある日、いつものように虫網……じゃなかった捕獲用ネットを装着したスリンガーを愛でながら陸珊瑚の台地を闊歩していると、ビックリマークを出している女性調査員がいるではないか。「お? なんだなんだ」と話しかけると、彼女はこんなことを言ったのだ。
「ねえねえ、地面から生えている“ユラユラ”を捕まえてきてほしいの。お・ね・が・い♪」(※若干、言い回しは違う気がする)
俺は心の内で、(き、きたか……)と声を震わせた。そのビビり気配が伝わったのか、女性調査員は以下のように続ける。
「近づくとすぐに隠れちゃうから、慎重にね!」
俺、思わず毒づく。「そこまでわかってんなら、自分で捕まえろや!!(怒)」。
じつはこのユラユラに、俺はほとほと手を焼いていた。見た目はチンアナゴ、もしくはフィンランドの谷に棲んでいそうなかわいらしい雰囲気なので、初めて見たときから、
「速攻で捕まえて、ぜひとも我がマイルームに住まわせよう!」
と思っていた。そこで陸珊瑚の台地に出向くたびに捕獲用ネットを持ってにじり寄っていたのだが……!
ソ〜〜〜…………。
「!!!!!!!!!!!!」
ヒュン!
こんな感じの、コンマ4秒の早業で、ヤツは地面に引っ込んでしまうのである。
それでも、俺はユラユラがどうしても欲しかったので、いろいろな手段を講じて捕獲しようとした。
キャンプを出てすぐ、スライディングができる場所にユラユラが群生しているのを見て、
「ユラユラは俺が近づいたとわかった瞬間に引っ込んでしまう。だったら……スライディングで滑りながら捕獲用ネットを放ち、ヤツに気づかぬうちに捕まえればいいんだ!!」
と理論建て、それを実行しようとしたが、
「まずは滑って……こ、この途中でスリンガーを構えて……狙いをつけて……は、放つ……って、できるかそんなこと!!!(ブチギレ)」
あえなく玉砕。
「ならば」
と今度は、
「シンプルに、気づかれなければいいわけだ。だったら……ゆっくりと口笛を吹きながらジリジリと接近し、近くまできたらなるべく後ろを向いて、“ここぞ!”ってタイミングで振り返って、同時に捕獲用ネットを発射すればいい!!」
そんな作戦を立てて本気で実行(マジです)。
「まずは……口笛だな」
ぴゅぅ〜〜るるぅ〜〜ぴゅるる〜〜……♪
大真面目に、リアル口笛を吹く俺(意味ないだろ)。このさりげなさのおかげか、ユラユラはこっちを気にするそぶりを見せない。でもそのうち緊張から、口笛の音が出なくなる。
スコー……ヒュー……スココー……
とは言えここまできたら、あとは後ろを向いて振り返り、捕獲用ネットを発射するだけだ。俺は一段とさりげなくユラユラに背を向け、“ここぞ!”のタイミングで決死の振り向きを行った。
「……ばぁ!! ほ、捕か……!」
振り向いたところに、ユラユラは1匹もいなかった。どうやら俺が背を向けたときに、
「どう見ても、怪しいおっさんがいる」
ってことで引っ込んでしまったようだ……。
「ま、まあそうだよね。ハ、ハハハ。わかっていたんだけどね、そんなことは……」
俺は耳まで真っ赤にし、
「なんてバカなことをしたんだろう……」
と恥じ入ったのであった。
けっきょくユラユラの捕獲は、
「も、もしかして……“隠れ実の装衣”を着ていれば、ヤツに気づかれないのでは……」
と思い至り、陸珊瑚の台地で実践したところ……!
「い、いくらでも獲れるやんけ……((((;゚Д゚)))) どうなってんだいったい……」
ユラユラの捕獲を試みて、約2週間……。
「“ばぁ!”とか言ってた過去の俺、いますぐ地底人に連れ去られてくれ…………」
俺はそうつぶやいて、ますます恥じ入ったのであった……。
おしまい。
『モンスターハンターライズ』プレイ日記 逆鱗ぶいっ! Vジャンプレイにて連載中!