【モンハンワールド】逆鱗日和 第18回:救難信号は届いたか
この週末、空いた時間の大半を狩りに費やせたおかげで、アプトノス丸呑み後のドスジャグラスくらい満腹になった。7割がソロ、残り3割が知り合いとの協力プレイという塩梅で、このバランスもいまのところ、ご機嫌レベルで気に入っている。
やっぱり始めたばかりのころは、ひとりでのんびりじっくりと、世界観を堪能したいからなー。
現状、理想的なプレイ環境にあるので、ここに書くネタも大量に集まっている。ありがたやありがたや。
ただひとつ、懸念に思っているのが、盟友である中目黒目黒の動向である。サービス開始から数日間は強引に時間を合わせてクエストを回せたのだが、その後はなかなか、集会所で合流できないでいる。まあ俺は前述の通り、しばらくはソロメインで『モンスターハンター:ワールド』の生態系を舐めまわしたいと思っているので、集まれなくても構わないのだが(身も蓋もないがな)、当の目黒はそうでもないらしい。毎日のように、Skypeで愚痴るのである。
「ぜんぜん時間が取れなくて、へっぽこ3人組・シーズン3の面々で集まれないですね……」
目黒の言う“へっぽこ3人組・シーズン3”とは、俺、目黒、ゲーム仲間のバキ(♀)のことを指している。
「大塚さんも、まったくプレイできていないですよね……。サークルのリーダーである俺がログインできないばかりに、手持無沙汰にさせてしまって申し訳ないです」
「う、うん」
俺はあいまいな返事をした。そして、
(じつはすでに、ハンターランク14になっているなんて言えない……)
と、震え声で独り言をこぼす。
俺の思いなどつゆ知らず、目黒はため息で続けた。
「バキにも悪いことしてるなー……。あいつ、モンハン中毒みたいな子なのに、開店休業中のウチのサークルに縛られたら、ぜんぜんプレイできないですよね……?」
「そ、そうかねえ」
消え入るような声で、なんとか返す俺。そして、
(じつはすでに、バキは別のサークルにも所属していて、ハンターランクも14になっているなんて言えない……)
と、カタカタと歯を鳴らしながらつぶやいた。さらに、
(俺も、所属サークルが3つになっているんだが……)
そう吐き出した。
そんなやり取りがあった翌日。
今度は若干怒りながら、目黒がSkypeしてきた。
「大塚さん! ヒドイじゃないっすか!!」
俺は思った。(あ、俺とバキが遥か先に進んでいることがバレたか)と。しかし目黒はそんなことは気にする素振りも見せず、つぎのように言うのである。
「ひとりでアンジャナフのクエストに行ったんですけど歯が立たず、慌てて大塚さんとバキに救援を要請したのに!!」
あ、そういうことか。
確かに、アンジャナフは手強い。βテストのときの、強い装備で相手をしていた感覚で、「コイツwwww 余裕wwww」なんてナメた態度で臨むと、120パーセントの確率で痛い目に遭う。聞くと目黒も、完全に“俺様”な姿勢でアンジャナフと対峙し、でもまったく通じず、早々に2オチして救難信号を発したと言うのだ。
「ハンマーでいくら殴っても、麻痺しないし」
と目黒。そりゃそうだ。βテストのときのハンマーは麻痺属性だったけど、いま目黒が使ってるの、ドノーマルの初期武器じゃねえかw
そんな目黒をドウドウとなだめつつ、俺は謝った。
「いや、そりゃ悪かった。目黒がプレイしているとは気づかず、ずっとソロで回していたよ」
目黒はまだプリプリしている。
「ホントっすよ!! 助けに来てくださいよ!!」
すまんすまんと言いつつ、俺は尋ねた。「何時ごろ遊んでた? 俺、ほぼ1日やってたから、合流できたのに」と。すると目黒、一瞬の間を開けてからつぎのようにのたまった。
「えーっと、会食から帰ったあとだから……夜の5時(午前5時)ごろですかねえ。大塚さん、ぜんぜん気づかないんだもんなあ」
俺はピクピクとこめかみを震えさせながら、キリン並みの大カミナリを落とした。
「それ夜じゃなくて朝だ!!! 寝てるわああああ!!!(怒)」
そんな目黒のキャラをギルドカードで確認したら、いつの間にかボーン装備で身を固めていた。この男は無印の時代から、ボーン装備が完成すると、
「やった……。やりきった……! これでモンハンは卒業」
と言って、集会所を去っていった男なのである。
「目黒がアステラから消えるのも、時間の問題か……。今回は、早かったな……www」
俺はニヤニヤと笑いながら、静かにつぶやいた。
おしまい。
『モンスターハンターライズ』プレイ日記 逆鱗ぶいっ! Vジャンプレイにて連載中!