ディアブロ3プレイレビュー 第42話
『ディアブロ III』に登場するモンスターの中で唯一、プレイヤーに登場を待望されている存在がいる。
それはもちろん、“リッチマン”こと“トレジャーゴブリン”。
彼らの姿を見たならば、部下を罵っている真っ最中のパワハラ課長ですら、
「まったく、オマエは仕事をなんだと思っ……まあいいや!! リッチマンやリッチマン!!! トレジャーゴブリンきたーーーー!!! 今日はもう早上がりだ!! 追いかけろ追いかけろ!!!」
そんなことになる。
怒れる者をも笑顔にし、泣いている者をも幸せにする。
たった1匹のトレジャーゴブリンですら、それほどの影響力があるわけだが……。
トレジャーゴブリンの爆買いツアー
そんな、ある日のこと。
クルセイダーからウィッチ・ドクターに浮気をして、ネファレム・リフトを回していたのである。
目的は、グレーター・リフトの“要石”。
ここのところ精力的に光ハンマークルセの練習も兼ねてグレーター・リフトに潜りまくっていたため数が乏しくなり、
「ここらで腰を据えて、要石集めをやっておかないとアカンな」
そう思ったのだ。
ウィッチ・ドクターでのネファレム・リフト巡りは、いまや無人の野を行くが如くだ。ガルガンチュアンとゾンビドッグを解き放って後ろから“憑依”を打っているだけで、敵はバチュンバチュンと消えてゆく。トーメントXIIIのネファレム・リフトも余裕で回れてしまうので、アイテム集めと要石集めを兼ねて、ときたまウィッチ・ドクターで回すことにしているのだ。
そして--。
俺は、出会ってしまった。魅惑の小人、トレジャーゴブリンに。
……いや、ここは正確に書こう。
トレジャーゴブリン“たち”に、だ。手が震えるほど焦ってしまったのでいい写真が残っていないのだが、↓これで伝わるだろうか?
この、トレジャーゴブリンの団体さんに出くわしてしまったとき、俺は思い出すのも恥ずかしいくらい取り乱してしまった。
「!?αΨΩζδφ! りりり、リッチマンの爆買いツアーデタァァアアアアアア!!!! あ゛あ゛あ゛!! ホラホラそんなに散らないで!!! 買い物は当店でッ!!! そんな早く帰ろうとしないでッッ!!!」
さあたいへんだ。ネギと鍋を背負ったカモが、大挙してやってきてしまったぞ。こいつは……1匹たりとも逃すわけにはいかないで!!!
そして、ウィッチ・ドクターとトレジャーゴブリン軍団による壮絶な鬼ごっこが始まった。トレジャーゴブリンの数は、ざっと10匹(!)。すべて倒せれば、どれだけの金銀財宝が手に入ることやら!!
競馬で超大穴!!
人生大逆転!!!
そんな景気のいいコピーが、俺の脳裏で踊りまくった。さあ狩るぞ狩るぞ!!
しかし、欲ばかりが先走ってしまうと、いつもできていたことがまったくできなくなったりする。このときの俺がまさにそれで、散り散りに逃げまくる神社の土鳩みたいなトレジャーゴブリンどもを見て、かわいそうなくらい慌てふためいてしまった。
「こ、コラ!! そっちに行くな!! なんで1ヵ所に集まっていられないの!!! いいい、言うことを聞きなさいッ!!! あ!! そこの!! 何をポータル作ってんの!! 行くな行くな!!」
トレジャーゴブリンのポータルを見るや、「やめろやめろ!」と追ってしまうので、まったく火力を集中させることができない。ご存知の通りヤツらはそこそこ硬いので、火力の集中なくしてはなかなか倒すことができないのだ。
俺はトレジャーゴブリンに夢中になるあまり、まわりの状況を見ることができなくなっていた。
でもここは……泣く子も黙るトーメントXIIIのネファレム・リフト。楽に回せるようになったと書いたが、それはキチンと敵を倒せていることが大前提のことだ。ザコと言えども放っておけばチクチクと攻撃されるのは当たり前で、結果……。
(((((( ;゚Д゚)))))
ザコがぴゅんぴゅん撃ってくる矢に当たってちんだぁぁあああ!!!!><
けっきょくこの死が大きく影響し、ほとんどのトレジャーゴブリンを逃がしてしまったよ……。は、はははは……。
今日の教訓。
“二ゴブリンを追う者は一ゴブリンをも得ず”
おしまい……。