ディアブロ3プレイレビュー 第24話
前回、『ディアブロ III』のフィールドに突如として現れる殺し屋、“宿敵”こと“ネメシス”のことを書いた。
本当にふいに、空間をこじ開けるようにして現れる巨体を見て、たいていの人は腰を抜かす。まるで、テレビの画面からズリズリと這い出ててくる、白衣の長髪女・S子さんを見るがごとく--。
「ななな、なんかデタッ!!! なんやねんコイツは!!?」
この宿敵というシステムは、いったいどういう仕組みになっているのか?
以前、俺のコラムも掲載されていたファミ通.comの『ディアブロ III』特設ページで、開発者みずからが宿敵システムに言及していたので、ちょっと引用したいと思う。
宿敵は、倒したフレンドの首を持って現れる……
『ディアブロ III』の開発者によると、ネメシスのシステムは以下のようなものらしい。
開発者:“ネメシス”というモンスターに関する新システム(当時)もあります。たとえばひとりでプレイしていてモンスターに倒されてしまったとしましょう。自分のキャラクターが死亡してしまった場合、自分を倒したモンスターがネメシスというモンスターに変化して、自分のマップから消えてフレンドのマップへ移動するというシステムになっています。ネメシスはフレンドがゲームを起動したときに突如現れる仕組みになっていて、フレンドが敵を討ってくれると豪華なドロップアイテムが手に入るようになっているのです。その際、先ほどのプレイヤーギフト(※)も付与されるので、倒された側もドロップアイテムを受け取ることができるというわけなんです。仮にネメシスにフレンドが倒されてしまった場合、さらに強くなって別のフレンドのところへ移動するようになります。これは6回まで。6回目以降はネメシスが消えてしまいます。
※プレイヤーギフト……アイテムがドロップした場合、一定の確率でプレゼントのようなものもドロップします。それをメールボックスを通してフレンドに送ることができるようになっています。受け取った側は任意のクラスで開くことができるので、たとえばクルセイダーのレベルが高い場合、もしかしたらレジェンダリーがタダでもらえる可能性もありますし、作ったばかりの低レベルのクラスで装備品を増やしたいからそのクラスで開こうといったことを自由に選択できるようになっています。
フレンドをつぎつぎと殺して歩く、さすらいの暗殺者……ってことか。
前回の記事で使った写真を再掲載するが、
宿敵の名前の下に“kadomanの仇”とあり、加えてキャラの顔が貼り付けられている。つまりコイツは、俺のキャラを殺したモンスターの成れの果てで、その首をぶら下げて再び立ち塞がった……というわけだ!! ここでもし、またしても敗れ去ると、宿敵がぶら下げる俺の首はふたつとなり、強さもさらに増した状態でフレンドの世界に侵入することになるわけか……((((;゚Д゚)))) 前回の記事で宿敵のことを、
“『北斗の拳』のラオウか、はたまた『バキ』の範馬勇次郎か、『ドラゴンボール』のフリーザか……”
と書いたが、この表現は決して大袈裟なものではないのである。
そしてもうひとつ、宿敵に関する恐ろしい話がある。
ちょっと前のことなのだが、ヘルファイアシリーズのアクセサリーを作ろうと思い、ニュートリストラムにある“異端者の棲み処”に入り浸っていたことがある。
「さて、つぎはどの門をくぐろうかな……」
なんて、陸奥九十九みたいなことをつぶやいていると、いきなり妙なことが起こった。そこは間違いなく街の中の一軒家で、ダンジョンとは切り離された場所にあるはずなのに……空間に亀裂が入り、中から何かが出てこようとしているではないか……!!!!
このときばかりは、本気でビビった。心霊体験をしたときと同じような鳥肌が、一瞬で全身を覆ったからな……。
「……え? え!? ウソ……。ここ、こんなところまで追いかけてくるのかよコイツ……!!!((((;゚Д゚))))」
招かれざる者の姿が完全に現れたとき、俺は若干ながらチビっていたかもしれない。深夜の住宅街に、48歳のおっさんの悲鳴が轟いた。
「しゅ、宿敵が追いかけてきたあああああああ!!!!>< こ、ここ、街だぞ!!? こんなところで戦うっつーのかよ!!!!((((;゚Д゚))))」
ショッピング中にタイガー・ジェット・シンに襲われたアントニオ猪木は、このときの俺と同じような気持ちだったのかなぁ……。
そんなことをぼんやりと考えているうちに戦端は開かれ、
「うわわ!! あわわわわ!!!><」
と泡を吹きながら立ち回ってなんとか倒したのだが、あんな恐ろしい経験は二度としたくないと思ったね……。
しかし……。
『ディアブロ III』を続ける限り、宿敵の呪縛からは逃れることはできない……。
いつ襲われても大丈夫なように、街にいるときも準備は整えておかないといけないな……。
おしまい。