【ディアブロ3プレイ日記11】バーバリアンは、遠くからやってくる

ディアブロ3プレイレビュー 第11話

小学館の週刊少年サンデー副編集長・大嶋さんとマルチプレイで遊んだときのお話、最終回です。

最初の1時間ほどは、俺と大嶋さんのおっさんコンビふたりで遊んでいたのだが、お使いから戻った同僚のたっちーが、

「わしもやる!! 混ぜてください!!!」

と言って、パーティーに加わった。いよいよ、俺史上初の“『ディアブロ III』のローカル通信3人マルチプレイ”の始まりだ!!


深追いは……死を招く

しかし、ここでにわかに問題となったことがある。

俺と大嶋さんは年末から『ディアブロ III』を遊び込んでいて、ともにトーメントIIくらいでトレジャーハンティングするのがちょうどいい強さに育っていた。しかしたっちーは、俺らがせっせと『ディアブロ III』でパラゴンレベルを上げていた間、ひたすら『ドラゴンクエストビルダーズ2』をやり込んでいた。そのため初めて3人が合流したとき、たっちーのレベルはなんと、

“14”

トーメントなんて、夢のまた夢という状態であった。

しかし、ここがマルチプレイの楽しいところなのだが、レベルが低い人がいるなら、我々がその難度に行って遊べばいいだけなのである。大嶋さんが、ニコニコと笑いながら言った。

「たっちーさんが行ける限界の強さは……“マスター”ですな! だったら私と大塚さんが、たっちーさんのところに出向けばいいんですね!」

「ですね!!」と俺。

「すみませーん!!」とたっちー。

そして我々はチャチャと設定をして、たっちーの待つニュートリストラムに出掛けていったのであった。

おおお……! いよいよ3人でのマルチプレイだ……!

否が応でも、戦士たちのテンションは上がる。『ディアブロ III』はひとりでコツコツと遊ぶのも楽しいゲームだが、やはり複数人で冒険に出たほうが掛け算でおもしろさが跳ね上がっていく。

「では、アドベンチャーにくり出しますか!」と俺。

「どこでも付いていきます!!」とたっちー。

「しょせん、マスターですからね! 我々の敵ではない!!」と大嶋さん。

このとき、すでにレベル70に達し、ひたすらキャラ強化に励んでいるという“上流階級感”が、俺と大嶋さんの感覚を狂わせていたのかもしれない。

上記の言葉通りに俺たちは、マスターレベルのアドベンチャーモードを回しまくった。


最初は、威勢がよかったのだ。

「うおおおお!! 余裕~~~!!!」と俺が言えば、大嶋さんも、

「うりゃりゃりゃりゃ!! 楽しいぃぃぃいい!!!」

と、大はしゃぎで斧を振り回していた。

ところが、何度かクエストをこなすうちに、声のトーンが変わってきた。

おらー(なんか敵、強くね?)」(角満)

どりゃー(いま死にかけた)」(大嶋)

じつはここ、よくわかっていないのだが(スミマセン)、マスターレベルのはずなのに敵がやたらと強く、トーメントでやっているのと大差ない気がしたのよ(苦笑)。ふっつーに死にそうになるし、敵はやたらと堅いし……。3人マルチなので敵が強くなっているのはわかるけど、ここまで補正されるんかな……? それとも、パーティー参加者の強さレベルに応じた敵が出てくるんかな……?

相変わらずあいまいな知識で遊んでいたわけだが、トーメントを主戦場としている俺たちがマスターで死ぬわけにはいかない。俺と大嶋さんは極力強気を装って、バタバタと駆けずり回っていたのである。

そんな、あるとき。

“ゴーム”がボスとして待ち構える報酬クエスト、その名も“ゴームを倒せ”に行くことになった。

このクエストはまず、ダンジョン内を探索して“食糧庫”を見つけ、その中でデブデブしている太っちょのゴームを倒して終了……というものである。そのため、

「まずは、食糧庫を探しましょう!」(角満)

ってことで、ダンジョン内を探索することになった。

しかし。

ここまでは3人、つかず離れずの立ち回りをしていたのだが、気が緩み出していたのだろう。いつの間にかバラバラにはぐれてしまい、ソロで彷徨う感じになってしまった。それでもどうにかなっていたので、「ボスのところで合流しますか」なんて言い合い、気にせず続けていたのである。

そのうち、大嶋さんがこんなことを言った。

「あ! 食糧庫を発見しましたよ!!」

「おお!」と反応して、俺が言う。

「いいっすね! じゃあ、入り口で待って……」

言い終わらぬうちに、大嶋さんが「あ!」と素っ頓狂な声を出した。

すみません!ww ひとりで入っちゃいましたw まさか単独で入れるとは思わずwww」

驚いて食糧庫に駆けつけたのだが、“イベントが終わるまでは入れません”なんてメッセージが出るだけで、俺もたっちーも入室できない。俺は笑いながら、大嶋さんに言った。

「なんか、うちらは入れないみたいですw 大嶋さんにお任せしますわw」

大嶋さんが、「おお!!」と吠えた。

大船に乗ったつもりでいてください。しょせんゴーム! しょせんマスター! 瞬殺して戻ります!!

そしてしばらくのあいだ、俺とたっちーは食糧庫の前でウロウロしながら、奮闘する大嶋さんの体力ゲージを眺めていたんだけど……。

「あの~……大嶋さん。差し出がましいことを言うのですが……」

おずおずと俺が切り出す。

「は、はあはあ。な、なんでしょう……!」

大嶋さんが、荒い息で返した。意を決して、俺が告げる。

「……なんとなく、瀕死の重傷を負われている気が……www」

そうなのだ。さっきから大嶋さんのバーバリアンの体力が、残り1ミリあたりで行ったり来たりしているのであるwww

しかし、大嶋さんは烈火の勢いで否定する。

え!!? なんですか!!? ぜんっぜんそんなことないですよ!! このワタクシが、ゴームごときにやられるとでも!!?

「あ、いや、すんませんw ちょっと心配になったものですから^^;

言葉を収め、見守ることにした2秒後。

「あ」と大嶋さん。

「え?」と俺。

「ん??」とたっちー。

大嶋さんはそれっきり何も言わなくなり、我々も何が起こったのかわからずに茫然としていると……!

なんと、目の前の食糧庫で戦っているはずのバーバリアンが、遠方から走ってきたではないか!!!www

「…………」(大嶋)

「…………………」(角満)

「…………………」(たっちー)

すべてを察した俺とたっちーは何も言わず、今度は3人仲良くゴーム戦に突入。見事これを瞬殺し、

「やっぱり協力プレイですね!!」と俺。

「だよね!!!」とたっちー。

笑顔が弾ける我々を見て、大嶋さんも笑って応えた。

……はい!! ホントにそうですね!! じゃあ……つぎに行きましょうか!!

3人の友情が深まった瞬間だったw

おしまいw

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