ディアブロ3プレイレビュー 第8話
いくらワタクシめが、
「ニンテンドースイッチの『ディアブロ III』楽しいよ!! ローカル通信でいっしょに冒険できるし!! やろうよやろうよ!!」
と誘ったところで、そう簡単になびいてくれる人はなかなかいない。
中目黒目黒に言っても、
「うおおおおお! なるほど! でぃあぶろっすか!」
とノッてきたフリをするだけでプレイしないだろう(実際、遊んでない)。さらに、
「年末年始に遊び込めるゲーム、何かありませんか?」
と聞いてきた知り合いのMC娘に、「だったら、『ディアブロ III』やろうぜ!!」と水を向けたのだが、その後ナゼか、連絡が途絶えた。けっきょく、事務所のスタッフと遊ぼうと思ったのだが、その人物に関しても、
「『ドラゴンクエストビルダーズ2』がおもしろすぎる。もうすぐクリアーするので、それまで待ってろや」
と言うばかりで、なかなかいっしょにマルチプレイをするに至らない。俺の寂寥感は、消えない雪のようにずんずんと積もっていくばかりだった。
そんな、2018年の年末。
仕事で、神保町にある超大手出版社にお邪魔してきた。どんだけメジャーな出版社かというと、日本で3本の指に入るレベルである。
「KADOKAWA出身の人間が、果たしてこのビルに入れるのだろうか……?」
真新しいビルの入り口で、そんな不安に苛まれる。入ろうとしたら、入り口の脇に立っているいかつい警備員に、
「あ、そこの人。あなた、他の出版社の臭いがしますね。入れませんよ」
なんて言われるのでは!!?
そんな、ありもしないことを、
((((;´・ω・`))))
↑こんな顔して考えて震えていると、背後から声を掛けられた。
「大塚さん! すみません! お待たせしました!」
振り向くとそこに、救世主が立っていた。思わず、(;´;ω;`) ←この顔で泣きつく。
「大嶋さん……! た、助かった……>< KADOKAWAの人間には、小学館は敷居が高すぎて……><」
俺の泣き言を聞いて、大嶋さんはニヤリと笑った。
「何を言ってるんですかw もっと堂々としてくださいよ!w」
そう、俺がいた場所は、あろうことか小学館。日本最大級の出版社にして、編集を志す者にとっては“神の住まう場所”として崇め奉られている聖地である。当然、大嶋さんも神世界の住人で、かの週刊少年サンデーで副編集長を務め、超人気漫画『名探偵コナン』を担当されていた超絶エリートだ。大嶋さんとは、数年前に『パズドラ』きっかけで知り合い、以来仲良くしてもらっている。この日、俺は所用があって初めて小学館を訪問したのだが、その案内を買って出てくれたのが大嶋さんだったのだ。
そんな小学館詣での道すがら、俺と大嶋さんは“ゲーム談議”に花を咲かせていた。大嶋さんが、俺に言う。
「大塚さん、最近ハマっているゲームってなんですか?」
すかさず、俺は答えた。
「この年末は好みのゲームが多くて、うれしい悲鳴なんです。『JUDGE EYES:死神の遺言』でしょ、『ドラゴンクエストビルダーズ2』でしょ、あと、『ディアブロ III』も」
ここで大嶋さんが、目を光らせた。「ほう? 『ディアブロ III』……ですか?」。俺は「うんうん!」と頷く。
「『ディアブロ III』、スイッチ版は出たばっかなんですけど、これがめちゃくちゃ楽しくて! 家庭用ゲーム機の『ディアブロ』では初めてローカル通信プレイに対応しているので、顔を突き合わせて遊べるんです!!!」
「て、ことは……」
大嶋さんが、思案顔で言う。
「私もスイッチ版の『ディアブロ III』を買えば、大塚さんの事務所でいっしょに遊べる……と?」
俺はピョンピョンと飛び跳ねた。
「そおです!! その通りです!! ぜひやりましょう!! いつでも来てください!!!」
大嶋さんの、「わかりました!! 年明けにでも、ぜひ!!」という力強いセリフに見送られて、俺は小学館を後にした。その手応えはたまらなく幸せなものだったが、心のどこかで、
「とはいえ……大嶋さんも、社交辞令で言ってくれたのかもしれん。忙しい方だし、あまり期待をしてはいかんな」
そんなふうに思っている自分もいたのである。
ディアブロ仲間がやってきた!
そして、年が明けて……。
1月7日の仕事始めの日。
正月ボケの頭をゆすりながら原稿を書いていると、スマホにSMSが着信した。見ると……差出人は、前出の大嶋さんである。
「お! お正月の挨拶かな」
なんて思いながらSMSを見てみると、そこにはこんな言葉が……!
「あけましておめでとうございます! 本年もよろしくお願いいたします! 唐突ですが、ワタシの『ディアブロ III』のキャラ、ストーリーをクリアーしまして、まもなくレベル70に到達いたします! つきましては近々、大塚さんの事務所にお邪魔させてもらって、マルチプレイができればなと……!!」
2019年で、もっともうれしい知らせだったよコレ。俺はすぐさま、返事を書いた。
「本当に遊んでくれたんですか!!! ありがとうございます!! もう、いつでも来てください!! お茶菓子用意して待ってますよ!!w」
そして、数日後--。
ピーンポーーーン
インターホンをガチャリと取ると……。
「小学館の大嶋です! 本当に来ちゃいました~!!」
というわけでやってきた、新しいディアブロ仲間!! さあさあ、いい大人が平日の昼間に、協力プレイに勤しむぜ!!
続く~!